Oracle Cloud Infrastructure DNSサービスにサブドメインを委任する
OCI(Oracle Cloud Infrastructure)にはDNSのゾーンを作成して管理するサービスがあります。本日は、OCIのDNSサービスに保有しているドメインのサブドメインを委任する方法について説明します。
1.OCI DNSで Zoneを作成
最初に、OCI管理コンソールの「ネットワーキング > DNSゾーン管理」より「ゾーンの作成」を行います。
メソッド:手動
ゾーン・タイプ:プライマリ
ゾーン名:<<管理するサブドメイン名>>
今回はゾーン名を「den2sn.com」のサブドメインとして「test.den2sn.com」を設定してみます。
2.NSレコードの設定内容確認
ゾーンを作成するといくつかレコードが定義されています。そのレコードの設定を確認します。作成したゾーンをクリックすると、レコードに設定されているNSレコード(4件)を確認することができます。このレコードを利用しているドメインのDNSサービスに登録する必要があるのでメモしておきます。
3.NSレコードをDNSサービスに登録
ドメインを購入しているDNSサービスに、2.で確認したNSレコード(4件)を追加します。私は「お名前.com」でドメインを購入しているので、そのDNSサービスの管理画面で設定します。
ホスト名:<<管理するサブドメイン名>>
TYPE:NS
TTL:<<キャッシュ有効期限(秒)>>
VALUE:<<2.で確認したRDATAの名前>>
テストのために今回はTTL値を少なく設定していますが、1日(86400)で良いと思います。
4.NSレコードの設定確認
NSレコードが「お名前.com」に正しく登録されたか、任意のクライアントで確認します。Windowsでは以下のnslookupコマンドで登録されているNSレコードを確認することができます。
$ nslookup -type=ns test.den2sn.com サーバー: UnKnown Address: 10.0.0.1 権限のない回答: test.den2sn.com nameserver = ns4.p68.dns.oraclecloud.net test.den2sn.com nameserver = ns1.p68.dns.oraclecloud.net test.den2sn.com nameserver = ns2.p68.dns.oraclecloud.net test.den2sn.com nameserver = ns3.p68.dns.oraclecloud.net ns1.p68.dns.oraclecloud.net internet address = 162.88.2.6 ns2.p68.dns.oraclecloud.net internet address = 162.88.18.6 ns3.p68.dns.oraclecloud.net internet address = 162.88.34.6 ns4.p68.dns.oraclecloud.net internet address = 162.88.50.6
3.で登録したNSレコードの一覧が表示されればOKです。
5.Aレコードの作成
・NSレコードの確認が取れたら、次は実際にホスティングするインスタンスのIPをOCIに作成したゾーンのレコードに追加します。
レコード型:A
ホスト・レコード:<<インスタンスのドメイン名>>
TTL:<<キャッシュ有効期限(秒)>>
RDATAモード:基本
アドレス:<<インスタンスのIP>>
6.Aレコードの設定確認
最後にまた任意のクライアントから、今度はAレコードが参照できるか確認します。
$ nslookup test.den2sn.com サーバー: UnKnown Address: 10.0.0.1 権限のない回答: 名前: test.den2sn.com Address: xxx.xxx.xxx.xxx
5.で登録したAレコードのIPが表示されればOK
これで無事、サブドメイン以下のIP管理をOCIのDNSサービスで実施することができるようになりました。
OCIのDNSサービスにはインスタンスのヘルスチェック結果を元に、返却するIPを変更するようなトラフィックマネージメント機能があります。サブドメインの管理をOCIのDNSサービスに委任しておくことでこのような機能を有効活用することができます。