基本設計ではユーザフローについても明記する

基本設計ではアプリケーションの設計にかかわる設計書以外にユースケースシナリオやユーザフローのようなユーザがどのようにアプリケーションを使用するのかという事も設計書に明記しておく必要があります。


なぜなら、ウォータフォール開発では基本設計が終了したらほぼ開発は終了したようなものだからです。V字モデルといわれますが、設計書作成後の実装やテストはその設計書の通りに動くものを作るという作業を行います。つまり、設計書に記載されていない事項についてはテストを行う保証はありませんし、逆に設計書に明記されていればそれについては必ずテストを行い保証をする必要があります。


では、アプリケーションの設計に関わる部分だけを設計書に記載し、ユーザの振る舞いについて明記しなかった場合はどうなるでしょうか。アプリケーションの挙動については正しく動作することはテストされますが、実際にユーザがどのように使用するかはテストされなくなってしまいます。すると設計書どうりには動作するけれど、ユーザが使用に耐えないシステムが出来上がってしまう可能性があります。ユーザの振る舞いについても設計書でしっかり明記しておくことで、テストでは必ずそのような振る舞いでアプリケーションを利用することを確認するテストが実施され、この機能がないと困る等の設計書に現れにくい仕様バグを見つける事が出来ます。


ウォータフォール開発ではスケジュールがタイトになればなるほどユーザ思考でなく仕様書をベースに開発してしまいがちです。そうならないためにも基本設計の段階でしっかりユーザの振る舞いを落とし込んでおく事でユーザ思考を忘れないようにする必要があります。


Next >> 詳細設計は本当に必要なのか


目次に戻る